「PickUp!科学道」では、これまでの科学道100冊のラインナップの中からテーマに沿って、特におすすめしたい本をご紹介します。今回のテーマは「高校生にオススメの科学の新書」です。
なぜ「新書」がいいの?
新書とは、新書判(105×173mm)のサイズの本の総称。縦長のスリムな形が特徴です。
専門分野の入門書として書かれたものが多く、1冊読めば、その分野の体系だった知識をインプットできます。さらに言えば、表紙や裏表紙に書かれている概要や著者のプロフィール、そして「もくじ」をよく見るだけでも、ある程度の要点を理解できます。気になる分野があれば、まずは新書からスタートするのがお勧めです。
本記事では、選りすぐりの科学の新書7冊を紹介します。自分の興味に合うものを手に取ってみてください。
新書(左)は「新しく出版される本」ではなく、細長い、新書サイズの本のこと。文庫(右)は、売れ行きがよかった単行本が小型に製本されたもの。
未来の「食」を知りたい!
人間と食の密接な関わり。未来の食はどうなる?
食は命をつなぐ営み。ホモ・サピエンスは雑食化して生き延びた。「よく噛んで、何でも食べる」は400万年の知恵なのだ。火を使う調理によって脳は大きくなった。では100年後私たちは、誰と、何を食べるのか。培養肉や3Dフードプリンタで何が変わる?分子調理学者が過去を訪ね、未来の食を考える。
「人との繋がり」が気になる!
コロナで変わったつながり方。キーワードは「利他」
新型コロナウイルスの流行で、人との関わり方が変わりつつある中、「利他」が静かに注目されている。ケア・贈与・民藝・責任・創作という5つの切り口から浮上するのは「他者のためのうつわになる」ことの大切さ。気鋭の論客5人が、コロナ後の社会のあり方を考える。
ノーベル賞科学者の思考法を知りたい!
ノーベル賞受賞者の対話に学ぶ。考えること、楽しむこと
「CP対称性の破れ」の起源を発見した益川敏英氏と、iPS細胞の生みの親、山中伸弥氏。日本人ノーベル賞受賞者二人が対談した。骨折で志した医学の道、iPS細胞ネーミングの裏話から、うつとのつきあい、アイデアの育て方まで。楽しく知的なおしゃべりを聞いているうちに、生き方や考え方のヒントをもらう。
女性研究者の生き方が気になる!
研究も、人生も、諦めない!「女性科学者」のリアル
テレビディレクターを辞めて研究者を目指し直したり、日本を飛び出してアメリカの政府機関で働いたり、結婚・出産と研究をどうにか両立させたり。11人が語る研究内容にワクワクし、女性科学者としての生き方に勇気をもらう。Girls, be ambitious!
日本列島の成り立ちを知りたい!
深海で発見された、日本列島誕生の秘密!
世界地図の中でも、独特な形をしている日本列島。弓状の地形や多数の火山、大陸との間を隔てる日本海。それらの誕生の秘密は深海にあった!?深海の化石の調査や、プレートの水平運動を踏まえ、日本列島が今の形になったプロセスを明らかにする。
物理学の歴史を語りたい!
星を見つめることから、物理学の歴史は始まった
近代物理学は占星術や錬金術などから生まれた。占星術を天文学に発展させたケプラー、「実験」という方法を導入したガリレオ、錬金術から化学を育てたボイル、万有引力を発見したニュートン……。ノーベル賞受賞者の朝永振一郎が、物理学の歴史を振り返りながら、科学が進むべき未来を展望する。
数学の面白さを分かりたい!
もしも「0」がなかったら、今の文明は存在しない?
無名のインド人数学者が発見した「0」のおかげで、数学は飛躍的に進歩し、人類の文明にも多大な貢献をもたらした。アラビア数字の誕生から、ピュタゴラスによる三平方の定理、ソロバンやコンピュータなどの計算機の歴史まで。数学嫌いにもなじみの深いトピックに沿って描かれる数学発展史。