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【学校司書だより⑨】学校図書館と探究学習の連携

【学校司書だより⑨】学校図書館と探究学習の連携

こんにちは。埼玉県立浦和第一女子高校(浦和一女)で、学校司書をしている木下通子です。

 

このコラムでは、高校図書館の「学び」への取り組みや、学校司書の仕事、そして高校生へのおすすめ本をお伝えしていきます。

 

あっという間に夏休み

新型コロナウイルスの猛威も収まらず、7月には日本各地が水害に見舞われましたが、みなさんいかがお過ごしですか?被災されたみなさまには、心からお見舞い申し上げます。

 

さて、前回のコラム「【学校司書だより⑧】休校中の学校図書館」でお知らせしていた郵送貸出ですが、18名の生徒から希望があり、92冊の本を貸出しました。郵送貸出は1年生の申込が多く、「司書さんのオススメの本を選んでほしい」という希望もあり、うれしかったです。

 

本校では6月1日から分散登校がはじまり、図書館も30分限定で開館。生徒が密にならないように徹底しながら、貸出を行っています。

図書館の郵送貸出の様子

 

探究活動でのガイダンス

本校はスーパーサイエンスハイスクール(SSH)とスーパーグローバルハイスクール(SGH)の指定校。

 

1年生が取り組む「SS探究I」という理系の授業では、「科学技術を使って持続可能な社会を作る」を大きなテーマに、2015年9月の国連サミットで採択されたSDGs(Sustainable Development Goals/持続可能な開発目標)を題材に探究活動を行います。最初に、学年集会で年間の活動計画のガイダンスを実施。図書館もそこで時間をいただいて、情報の検索についての説明を行いました。

 

例年であれば、入学直後に図書館オリエンテーションがあり、その後、データベースの使い方などの紹介に入っていくのですが、今年度は新入生に向けてオリエンテーションができませんでした。そのかわりに、1年生の8割ほどがGoogle Classroomの「図書館room」に登録。休校中にもデータベースの使い方の質問のやりとりをしていたので、図書館は身近なものになっていたようです。

 

国立国会図書館データベースやCiNii(NII学術情報ナビゲータ[サイニィ])などの使い方も「図書館room」で説明していて、読みたい記事・論文の文献複写もメールで受け付けたところ、さっそく文献複写依頼が入りました。埼玉県立図書館に所蔵がないものもあったため、思い切って国立国会図書館の遠隔複写サービスに登録しました。文献複写やレファレンスは、メールで連絡をもらった方が受ける側も便利なこともわかり、オンラインのよさを感じています。

 

ガイダンスで説明したスライドは、Google Classroomにアップしました。以前は紙配布のみでしたが、ウェブにスライドがあれば必要な時に確認できるため、生徒にとっても便利なようです。1年生の「SS探究I」は、年間を通した活動になり、図書館は継続的に資料提供のサポートをしています。次号では、生徒が取り組んでいる課題についてご紹介できたらと思います。

 

夏休みには、科学道100冊の探究型読書「クエストリーディング® NOTE」を生徒に配布しました。「クエストリーディング® NOTE」は、本への好奇心や探究心を書き留めていく読書ノートです。ノートを使いながら、生徒からも理系のオススメ本を紹介してもらう予定です。

探究学習の様子

木下通子(きのした・みちこ)

1985年に埼玉県の司書採用試験に合格し埼玉県の高校司書となる。現在、埼玉県立浦和第一女子高校担当部長兼主任司書。ビブリオバトル普及委員、埼玉県高校図書館フェスティバル実行委員長などを兼務し、図書館関係の活動に携わっている。著書に『読みたい心に火をつけろ!――学校図書館大活用術 (岩波ジュニア新書)』ほか。