ファーブルが30年かけて書いた
愛情たっぷりの昆虫観察記
ファーブルが55歳から83歳まで後半生をかけて書いた全10巻の昆虫記。南フランスの美しい景色を背景に、ファーブルの日常も交えながら描かれる仔細な昆虫のドラマは、ヴィクトール・ユゴーに「昆虫のホメーロス」と評された。第1巻はフンコロガシと蜂の物語。ふんだんな挿絵も楽しめる。
ファーブル昆虫記は、科学精神に満ちています。「標本に突き刺しただけでは虫を知ったとは言えない。生活の仕方や本能を知りたい」というのがファーブルです。非常に成熟した視点ですね。僕としては少し大人になってから寝転がって読むのが最高だと思います。この本は奥本大三郎さんによる新訳と、ふんだんにちりばめられた挿絵が素晴らしい。この版で初めて読める人は恵まれていますね。
倉谷滋
開拓研究本部 倉谷形態進化研究室 主任研究員
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