「春宵十話」の背景ありの書影

春宵十話

岡潔(著)

光文社

2006年

傑作選

070

明治の数学者・岡潔が語る
「情緒の数学」

数学っておかたい。むずかしい。私たちはそう感じている。しかし、明治の数学者・岡潔は、情緒の数学を志した。「人の中心は情緒である」と語り、数学は情緒を表現する学問だと考えた。数学は人間の心からくるものであり、体温があるのだ。クールな数学観が反転する名作。

推薦コメント

大きすぎる主語や、思い込みとすら受け取れる強い断定など、現在であれば物議をかもしそうな箇所も散見されます。しかしそれ以上に、異様な熱量と気迫に惹きつけられる文章です。特に、数学の難問を解決したときの心象風景について語るくだりは、まさしく「科学道」にふさわしい内容と言えます。

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